結婚60周年記念
こんな事もあるのですね、夫婦どちらも欠けることなく健康で60年も一緒に暮らせるなんて!
我が家の老人二人は10月6日で結婚してから満60年が経ちました。 ヒャー、一口に言い表せない時間だ! 別れようと思ったこともない、かといってオシドリでもない夫婦の60年です。
87歳と81歳、充分に元気ですが今頃すこぅし夏の疲れが出ているようで、食欲が気持ち減ったようにみえます。 あくまでキモチ!ですけど。 あいかわらずお酒は進んでいますし夜の夜食も欠かしません。 来年の米寿のお祝と一緒に祝うつもりなので今年は影です、なんかお祭りみたい。
庶民なんだからお祝い事も倹約第一で考えなくちゃ、と今年の記念日は地味にきめました。 来年は88歳なので少しは派手にしてあげないと!と話すと母は大喜びだけど父は面倒だといいます。 相変わらずチグハグなコンビですね。 出好きの母は何かと口実をみつけて父を引っぱりだそうと画策しますがほとんど成功しません、2人だけで旅行したこともないし。 母だけはヨーロッパ旅行もチャッカリと参加しています。 映画だって独りで観に行ってしまう自立した嫁を貰った父の結婚生活は料理以外では成功と言えるのじゃ無いかしら?とりあえず。 この夏頃の計画としては近くの山の上ホテルに泊まって池波正太郎推薦の天婦羅を食べる!そんなふうに張り切っていたのですが、いざとなったら面倒になったらしくやっぱり家でしずかに会食すると言いだしました。 とくに父は外食嫌いなのです。 50周年の金婚式のときはふぐを食べに行ったのだけど全然喜ばなかったので拍子ぬけしたっけ。 甥の弾くフラメンコギターにあわせて決して良いとはいえない声で歌うほうがよっぽど楽しそうなので今年もあてにしていたら、当の甥つまり私の従兄弟がこの夏急に癌になってしまったので治療のために出席出来ない事もあり、いよいよ地味にせざるをえない事になったのです。 8人兄弟も残るは父と妹の2人だけ、その妹の子が癌とは残念な夏でした。
件の従兄弟は学生時代からプロ並みにフラメンコギターが上手で、それは実は私の父の影響だそうです。 若い頃から父はよく仕事の合間にフラメンコを弾き歌うのが好きで、それがストレス解消法だったらしく「マラゲニア」なんかを大声で吠えるので煩かったっけ。 私が結婚する前にギター好きが集まって宴会した事もあったし、父のギターで俳優の天本英世さんがロルカを朗読したこともあったな〜。 考えてみるとけっこう趣味の人だったのだ。 今は古代史研究家だしボーッと爺さんになったわけじゃないんだ。 近くにいるとだらしない爺さんで欠点ばかり目立ってしまうからつい小言を娘の私が言ってしまうけど、本当は高校野球の選手だったし東大の理工を出てるし浮気もしないでいまだに母を養っているんだし、ちっともボケてもいないんだからもっと誉めてあげてもいいんだな、と反省すると
「そうよ!だいいち私を離縁しなかったんだからたいした人よ!」と掃除洗濯まるで駄目の母が得意そうです。 なんだやっぱり似合いの夫婦だ。