1999年12月31日〜2000年1月1日

新しい年、2000年。 10年前にはこの年を想像する事が困難だった。 20年前には私は多分この時まで生きていないと思っていた。 20年という歳月は若い頃にはそれくらい実感の無い時間だったのだ。 会えなければ一時も我慢ならない若気の恋を思い出すと可笑しい。 この世の終わりと嘆き悲しんだことも既に朧げだ。 時の流れは見事に苦しみや喜びを浄化してくれる。
20年間が一枚に印刷されている額入りのカレンダーを部屋の入り口に飾って置いた。 黒地に白い数字と赤で祭日が表示されているシンプルなもので、12ヶ月×20=240ヶ月,約7300日あまり。 とても想像出来ない月日である。 天文学的時間のように思えたから毎日気にもしないでアートとして慣れ親しんで、その内飾ってある事も忘れていった。
そのカレンダーがいよいよ最後の一日となる日が来たのだ。 アッという間だったのに購入した時はどんな時間が流れるのかまったく予測できなかった。 2000年を迎え考える事は「日を惜しむ」の一言だ。 大層な目標も掲げずにおきたい。 ただ一日を心楽しく送る!を第一にして生きたい。 「どうと言う事もなかったが、充分に楽しかった」と達観出来るためにはどう暮らしたら良いか! 今日からはその事だけ考えて生きてみようと思う。 先の事をクヨクヨ想い患っても何の役にも立たないという事だけは知ったのだから。 大の字になって「ア〜今日も良い日だった」と眠りにつけるようするための日々の過ごし方。 案外難しいからこそ工夫のしがいもあるというものだ。 わくわくする。


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