6月18日、日曜日。今日はニュルンベルグで日本対クロアチアの試合です。
パリからニュルンベルグまでの距離は前回のカイザースラウテルンの倍くらいあるので、前日にドイツ国境すぐそばのForbachというところに泊まったのですが、朝4時半に目が覚めてしまいました。そのまま起きてゆっくり身支度、涼しいうちに出発しました。
例の検問所は早朝のためか誰もいなくてそのまま素通り。
車があまりいない日曜日の朝のアウトバーンは気持ちよく、移り変わる景色を楽しみました。
陽もだいぶ昇って暑くなった9時頃、車も増えてきたしそろそろ朝食にしようとサービスエリアに入ることに。
するといるわいるわ、クロアチアサポーター。やはり地続きということで車で来ているサポが大勢いるようです。今夜ライプティヒでフランス対韓国の試合があるためフランス人サポーターも見かけます。僕の背中を見て「ナキャミュラ”、って知ってるかい?」と息子に話しかけるお父さんや、「日本の試合は何時から?」と訊きにくる人も。
食事をしていたら日本サポーターのバスも到着。ワールドカップな飾り付けのサービスエリアは賑やかな雰囲気に。
その後もニュルンベルグに近づくにつれ、赤白の国旗をはためかせた車が増えて行きます。なるほどFrankenstadion 周辺には駐車場も充分あって車で行くには便利なスタジアムです。
先週のカイザースラウテルン Fritz-Walter-Stadionもそうでしたが周辺は緑豊かで素晴らしい環境。
スタジアムには早めに着いたのですが「駐車場が12時に開くから、12時になったら来てくれ」とのこと。
その辺をぶらぶらして正午に戻ってくると、何やら1台ずつ厳重にチェックしている様子。前の車の人はボディーチェックまでされています。
僕たちの番になり、係りの人に車内を見せます。
「ボンネットを開けて下さい」
(へ〜ボンネットの中まで見るんだ、あれ?そういえばこのクルマどこでボンネット開けるんだろ??)
「開け方わかんないんですけど、どうやるんですかね?」と情けなく訊くと、
「じゃあいいや」とけっこうあっさり。
無事中に入ることができました。
だいぶ時間があったので会場周辺の雰囲気を楽しみます。
クロアチア人の奥さんのために赤白のユニフォームをまとった地元ドイツの人と写真を撮ったり、テレビカメラの前で気勢を上げるクロアチア人たちを眺めたり。険悪な雰囲気は全くなく、日本とクロアチアのサポで一緒に記念写真を撮り合ったりして和気あいあいと盛り上がります。
しかし内心では誰もが (勝つのはこっちだぜ) と思っているに違いありません。
前回入場に時間がかかったので早めに入ることにすると、車椅子席へ案内してくれる係の人も車椅子ユーザ。今回は何の混乱もなく全てスムースでした。
今回の席はメインスタンド側。両チームの代表スタッフがタオルを何枚も使って一生懸命ベンチに日陰を作っていました。
側にいた関係者とおぼしきパスを付けた紳士から、
「どうして日本のチームカラーはブルーなの?」ともっともな質問。
「なんででしょうね?僕も知りたいです」
今回のお隣さんは地元に住んでいるというトルコ人の兄妹。
「前回のワールドカップは3位で凄かったねー」と言うと、
「ありがとう、だけど今回は出られないんだよ〜」
そうだった、トルコはもうちょっとだったのに結局プレーオフで負けたんだっけ。前回3位でも今回は出られないW杯の難しさ…。
いつのまにか客席がいっぱいに埋まってきて、通路の側で練習に出てくる選手を眺めたり、充満するワールドカップの空気を吸い込むうち、やがてキックオフ。
そして結果はご存知の通り、両チームとも決定機を逃し続けスコアレスドロー。客席からは大きなブーイングが。
試合終了直後、わびすけが
「どっちもダメダメだったね」
そう、試合を観た直後の僕たちの正直な感想は「どちらのチームも決勝トーナメントに勝ち進むに値しない試合をした」というものでした。
引き分けに終わった試合会場は勝者の満足も敗者の絶望もない、茫とした雰囲気。
暑さの中をぞろぞろ歩く人波に混じって駐車場に向かって行くと、騎馬警官が4人 (というより見事な馬が4頭) 並んでいて皆が写真を撮っています。動物大好きのわびすけもすかさず近寄って撮影。ふと気づくと隣でarataさんが写真を撮っているではありませんか!
こんなにたくさん人のいる大きな会場でバッタリ会う偶然に笑ってしまいました。
arataさんからファンキャンプの情報を教えていただき、そこのパブリックビューイングで他の試合を観るのもいいかなとは思いましたがスケジュールもあるのでとりあえず帰路にくことに。
日本人サポの乗るクルマと手を振り合ったりしてニュルンベルグに別れを告げアウトバーンに乗りました。
途中サービスエリアに寄り、大勢のクロアチア人たちと一緒にブラジル対オーストラリアのテレビ放送を見守ります。オーストラリアの必死のプレイもさすがに王国には通用せず、ブラジルの勝利にクロアチア人は拍手喝采して安心したように去って行きます。
わびすけに運転を替わってもらいサービスエリアを出るとなにやら渋滞。どうやらクロアチアに向かう車列の分岐で混んでいるのでした。
さよならチェッカーフラッグの国旗たち。いつかお互い強くなってどっかで決着をつけようぜぃ。
更に走って夜になり、ドイツ最後のサービスエリアに寄ることに。
分岐点直前のサービスエリアは空いていました。ここでようやくドイツっぽいソーセージにありつきながら、プラズマディスプレイでフランス対韓国を観戦。
ゴールを割ったように見えたビエイラのゴールは認められず、結局ドロー。しかもジダンは次戦出場停止…。
もしまたグループリーグで敗退してしまったら、これがジダンの最後の試合になってしまうばかりか、4年前のように「ワールドカップ?なにそれ、そんなのやってたっけ??」という雰囲気になってしまうかも……と心配になりました。
そう、98年のW杯とユーロ2000に優勝し、プレミア・セリエA・リーグアンの各欧州リーグ得点王3人を擁したチームでも1点も取れずに敗退した2002年。そう考えると今回の日本代表の苦戦は驚くにはあたらないのかもしれません。
結果の方は非常に残念なものでしたが、ほんの十数年前までは、ワールドカップは極端に言えば他人の祭りでした。それを思えば自分たちの国を応援するためにこうしてワールドカップに参加できるようになったことが嬉しいと感じます。
本当の喜びを掴むためには、その前にいくつもの悲しみや苦しみを乗り越えなければならないのかもしれませんね。
さて、そろそろ帰ることにしましょう。
このサービスエリアのおじさんおばさんを始め、さすがドイツ人はもてなし上手、と感じるさりげない親切が旅の間随所にありました。それは「またいつかドイツ来たいね」と思わせてくれるものでした。
さよならドイツ、ワールドカップはまだまだ続くけど、現地観戦の予定はこれで終了。
暖かく迎えてくれてありがとう!
ウオーミングアップする選手の写真に中田英選手が写っていますね、嬉しい。
この18日は散らし寿司をとってしまったために散ってしまった両チーム(笑)なんて・・・
今日ジーコ監督のさよなら会見を聞いていたら涙が出てきました。あのドーハからの長い道のり、いつもサッカーが一緒だったような気がする我が家です。
フミちゃんが行きたいと希望していたドイツにも念願が叶って、こんなに素晴らしい旅が出来て良かったと思います。
ハプニングまでが今となっては貴重です。
また休暇ができたらぜひゆっくりとドイツを旅行ができたらいいですね。
そうそう、日本のサムライブルーは染料の藍から来てるはずです。
鎖国後、日本へ来たオランダ、イギリス人等の外国人は皆、藍染めの着物の色に驚いたそうです。藍は日本にしか生えていない植物で非常に貴重だったそうです。
科学染料の無い時代、青は藍色=日本の色。
ジーコファンとしては最後に恩返しできず残念。
中田英寿選手が23人になったら日本も変わるかも。
ただ個人的には以前からジェフのオシム監督に「日本代表率いてくんないかな〜」と思っていたので嬉しいし、今後の楽しみがまたひとつ。
ブルーの由来はそうだったんだ!?
なるほどねー。日本はもうちょっと武士道精神を取り戻さないとね。
おつかれさま!ジーコ・ジャパン!
疲れをとるのに最高な青梅のラムレーズンをピッチに倒れたままの中田にあげたかった・・・。
うっひょー!
フランス勝利おめでとう。
フランスが日本の仇を討ってくれたのか?
優勝候補のブラジルをフランスが破ったということは
日本も2006年のワールドカップは無かったことにして
未来に繋げるわね!
とにかくフランスが勝ってよかった。けど一目見るとフランス人は何処に?というチームでしたね(笑)
菊さん、この辺ではみんなそう言ってますよ (笑)
今アルノーから電話があって「今回のワールドカップでブラジルから点をとったのは日本とフランスだけ!」と言ってくれました。(^_^;)
いやー表が喜びで凄い騒ぎになってて、ちょっと見ものです。
>フランス人は何処に?
それは言わない約束だから。少なくとも監督はフランス人かも (苦笑)
試合観ててそういえばブラジルってアフリカのチームが苦手だったよなぁ、って思ったけどそれも言わない約束だから。