パリの歩行者は信号に関係なくいつでも車道を渡ろうとする人が多いし、近年ではすっかり増えた自転車に加えトロチネットっていう電動キックボードとかも車道を走っているので、車の立場からすると益々油断がならないんですよね。
それで奥さんはパリ市内はコワいからと、車の運転は専らぼくの役割だったんですが、コロナウイルス問題がこの硬直した夫婦の関係性に変化をもたらしました。
メトロを避けるため、バイト先の郊外のアトリエに奥さんが勇気を振り絞って自分ひとりで運転して通うようになったのです。
慣れてみると自動車通勤は非常に楽だそうで、もし電車+徒歩だったらヘトヘトで無理だったと言いながら毎日往復約30Kmの道のりを安全運転で走っています。
頼もしい!これでいつぼくが運転を引退しても安心です。
そんなある日、いつものように奥さんが運転しているといきなり警告音が鳴ってドッキリ。
タイヤの空気圧が落ちていますよ、という警告なのでした。
えっ、最近のクルマってタイヤの空気圧がわかるんだ!?
どうも今どきの車事情に疎くて。
とにかく帰りにアトリエの近くのガソリンスタンドで空気入れてくればいいよ、という話になりました。
そんなわけでガソリン入れがてら、初めて自動車のタイヤ空気入れに挑戦した奥さん。
結果、適正空気圧250kpa(キロパスカル)のところ219kpaに落ちて警告が鳴ったのが、更に180kpaに下がってしまったそうです。
いったい何がどうしたの!?
日本でも珍しくなくなったセルフサービスのガソリンスタンド、ヨーロッパはこればっかりなんですよね。
タイヤの空気ももちろん自分で入れなければなりません。
で、この自動車のタイヤの空気入れなんですが、大雑把に分けて2つのタイプがあるようです。
- 空気圧を示す針を見ながらボタンを押すアナログタイプ(たぶん無料の場合が多い)
- 先に空気圧を指定してから空気を入れるデジタルタイプ(たぶん有料の場合が多い)
奥さんが行ったガソリンスタンドにあったのは前者のタイプでした。
さっそくタイヤのバルブのキャップを外して、空気入れのノズルをはめます。
ここで問題発生。
ノズルをはめるとプシューとタイヤから空気の抜けるような音が。
けれど空気を入れるにはボタンを押さなきゃならず、そのボタンが遠いのです。
しかしここはフランスだからなのか?、バルブに空気入れのノズルを固定するクリップみたいなのがチャチくてちゃんと留まりません。
つまり空気を入れるボタンを押しに行こうとすると、チューブを押さえていられないのでバルブから外れてしまうという。
これ、一人の場合皆さんどうやってるんでしょうね?
押し込みが足りなかったんでしょうか??
教えてわかる人!
とにかくこりゃダメだ、ここでヘタに頑張っちゃってもっと空気が抜けたら困る、ということですぐ諦めたそうです。
帰ってくるなり「今から一緒にガソリンスタンド行かない?♡」と奥さん。
「ぼく行っても役に立たないけど…」と思いつつ、見守るだけでいいからって言うし、ちょっと億劫だったけど頼りにされるうちが花なので久しぶりに運転して出かけました。
24時間やっている近所の無人ガソリンスタンドに行ってみると、そこにあったのはデジタルタイプ。1ユーロ入れると5分間使えるようです。
1ユーロコインが無くて2ユーロコインを入れました。
当然お釣りなんて出ませんからまぁゆっくりやろうと。
コインを入れるとすぐンゴゴゴゴと動き出すので、奥さんがチューブを伸ばしてタイヤのバルブにはめると自動的に空気が入ります。
デジタルの空気圧メーターが上がっていき、指定した数値になるとブザーが鳴ってそれ以上は入らないので安心。
あらかじめセットしてあった220で後輪を、250に上げて前輪を、奥さんひとりで全部のタイヤに空気を入れることが出来ました。
わかったことは、有料でもこういう先に空気圧を指定するタイプの方がひとりでも空気を入れられて便利、ということでした。
時間もけっこう余ったので、よほど空気が抜けきってしまっていない限りは5分あれば充分でしょう。
他に、タイヤ1つにつき50サンチーム(4輪全部入れると2ユーロ)というタイプもあるようです。
聞くところによると、タイヤの空気圧は毎月チェックした方がいいそうで。そうだったの?
空気を入れたら走りが軽くなったので、今後はインパネの空気圧表示もちゃんと見るようにしようと思った次第です。どうやって表示させるのかは知らないけど。
それにしても、頼まなくても窓拭いてくれてエアも無料で入れてくれる日本のガソリンスタンドのサービスはやっぱり素晴らしいですね!