実は古川さんと佐渡さんとは、97年に面識があったそうなのです。
佐渡さんが初めてパソコンを買うにあたり、坂本龍一さんのご紹介で古川さんが佐渡さんの滞在するホテルにパソコンを届けて使い方をレクチャーしてくださったのだそうです!
「マイクロソフト会長の古川さんが直々に使い方を教えてくれたんですよ!」
これも何かのご縁に違いありません。
古川邸に着くと、渡米を翌日に控えしかもインフルエンザで体調がすぐれないにもかかわらず、古川さんが機材を用意していてくださり解説してくださいました。
下記がお借りした機材のリストです。
- SONY “まめカム”HD HXR-MC1
小型ながら高性能のフルHDカメラ。2009年の坂本龍一さんツアーのUストのために古川さんがサンフランシスコを走り回って入手された貴重品! - カノープス ADVC-HD50
今回の配信で最も活躍したHDMI→FireWire (IEEE1394) コンバーターです。 - リモート雲台
離れた場所から無人のカメラを動かすことができます。 - Logitech Webcam Vision Pro
手軽に良好な映像を得ることができるウェブカムです。 - Cerevo LiveShell
これ一台だけでUSTREAM配信ができる優れモノ! - AirMac Express
会場で独自Wifi電波を飛ばす必要がある場合用にとのご配慮で。 - TASCAM US-144MKII
USB接続の4IN/4OUT オーディオインターフェース。ラインの音にマイクからのアンビエントをミックス可能。テスト環境ではこれを繋いでいると何故かUstream Producerが起動しませんでした。原因不明です。 - RODE NT5 Matched Pair
アンビエント集音用にお借りしたコンデンサーマイク2本セット。 - Brace DWG 1000 MKII Digital Guitar / Bass Wireless System
不測の事態用、ワイヤレスで音を飛ばすユニット。モノラル。 - TASCAM DR-40
何もかもうまく行かなかった場合でも、せめて音だけは録れているようにと!
極力簡単に配信ができるようにご配慮いただいていて再び感涙…。実は帰国前にCanon Franceに業務用ビデオカメラの貸出をお願いしていましたが、この時点ではまだお借り出来るかどうかが判っていませんでした。そのため基本的にシンプルなカメラ1台での配信をベースにご相談していましたが、三重四重のバックアップ・プランをご用意くださっていました。USTREAMの書籍『USTREAM配信入門』『USTREAMポケットガイド』も貸してくださいました。
この時、古川さんから重要なテクニックを教わりました。
通常長さ7〜10m程度しか延ばせないHDMIケーブルを30m以上に延長する方法です。
具体的にはCAT5以上のストレートLANケーブル2本を使いHDMIエクステンダーで変換することでHDMI形式の映像と音声信号を延長するというもので、ケーブリングをどうするかが最大の悩みだったので最もありがたい情報でした。
このような製品は”HDMI エクステンダー“で検索すると何種類か出てきますが、製品によって延長できる長さ、電源の要・不要、使用するイーサネット・ケーブルのカテゴリー等が異なります。
会場の要件に合う、電源不要で30mまで延長できるものを購入しました。
その翌日、Canon FranceからXF105が3台借りられることになったのです。
XF105にはXLR端子があるため、PA卓からステージ上のマイクと会場後方の環境音マイクとのミックスをダイレクトに受け取ることが出来るので、最も重要な音声に関して非常にシンプルになりました。
古川さんのおかげで当初予定していた固定1カメの配信に関しては充分な機材が揃いましたが、XF105が3台あるのでちょっと欲を出して2台目のカメラをUSBに繋ぐ準備も念のためしておくことに。日本の方がフランスより物が低価格で手に入りやすいので、備えておくべくあれこれ通販しました。
- manfrotto マルチ・ビデオスタビライザー MODOSTEADY 585-1
何かとんでもないアクシデント(全電源喪失とか…)が起きた時の最後の手段、iPhone中継で少しでも見やすい映像にするために購入。 - iPhone4・4S用 カメラキット
実は上記のスタビライザーの三脚穴にiPhoneを取り付ける部品が欲しかっただけなのですが、レンズと三脚もついてきちゃいました。 - KEIAN BD MAKER K-BD MAKER
『MacでUSTREAMするたった一つの冴えたやり方』という記事を参考にしました。 - TSdrena HDMI → アナログ (S端子&コンポジット) コンバーター
2台目のカメラを繋ぐ場合用に。 - HDMI延長器 30m ピグテイル型
安過ぎですが動作しました。会場には送出側にコンセントがないため電源不要型しか選択肢がありませんでした。 - ハイスピードHDMIケーブル(シルバー)20mキット(10m+10m+リピーター)
HDMI→Ethernet→HDMIがうまくいかなかった場合の代案です。 - GREEN HOUSE HDMIセレクタ Input3+Output1ポート GH-HSW301
さすがにこれで映像を切り替えるような乱暴なシチュエーションはないとは思いましたが一応念のため。
ジャポネードは募金から経費を一切引かない予算の無いチャリティー団体なので、必要な備品は自腹と決めていましたが安価なものばかりなので個人的にも負担になりませんでした。さすが日本。
けれども本当の難関は機材面ではなく、実はユネスコのネットワーク事情にあったのでした…。