ここ数年、幸いにも良いクライアントに恵まれフリーランスの生活が気に入っていたものの、このままでいいのだろうか?もっと挑戦するべきでは?とか自分の果たすべき役割って何だろう?という疑問が常に頭の片隅にあった。
それは、やりたいことの何分の一もできずにいる自分への叱咤でもあり、かつて活躍してきた優秀なデザイナーやエディター達が歳をとって仕事がなくなっていくのを見てきたせいもあるかもしれない。恐らくほとんどのフリーランサーにとって宿命のようなもので、たぶん自分も避けられないのだろう。母もスタイリストとして多忙だった頃はいつか仕事がなくなるとは考えもしなかったらしい。忙し過ぎてそんな余裕もなかったのだろうと思う。
地道にコツコツやっても歳とって仕事が来なくなるならそれまでは好きにやるか!(なんじゃそりゃ?)
それとも仕事がなくて暇になったらやりたかったことの残りいくつかができるようになるのだろうか? いやいやそんな悠長なことを言ってちゃ始まらない。
結局、今現在自分を最も必要としてくれる場所へ来ることにした。テーマはニューチャレンジ,ニュー恩返し,笑顔で挨拶。
祖国ほど容易ではなく、アメリカほどアグレッシヴでもなく、仕事が忙しくても生活を大切にするフランスは程よい選択だったと思う。慣れ親しんだ場所でもあるし。
ビジネスでの人助けはなかなかたいへんなのでとりあえず手近なところから。この寒空に眉毛がハの字になったおじさんが「J’ai faim (私はひもじい) 」とか書かれた紙を持ってたりすると小銭を探さずにはいられない。もっと寒くなったら彼等はどうするのだろうか・・・?
そして10年、20年後に自分は何をしているんだろう。ちゃんと食べれているだろうか? 何かを成し遂げたと思えるだろうか? もっと歳をとっても現役で仕事をしていられるだろうか?
そんな疑問は措いといて、とにかく今できることに集中しようと思う。先のことは判らない方が面白いし。
15/12/2001