サイトの制作と管理をやらせていただいている写真家の十文字美信先生が、昔撮った古いカラーフイルムが経年劣化で退色してしまうことについて書かれていました。
あまりに退色が進んでしまうと正確な復元が難しいんですよね。
それで前回の帰国で持ってきた昔の写真をほったらかしたままなことを思い出してスキャンしてみました。
調整前
やはり色褪せていたのでRGBの山を揃えて、壁の紺色が記憶色に近づくように調整しました。
この写真はたぶん10才くらいの頃に、カメラマンの伯父が撮ってくれたものです。
と言っても当時はまだ伯父ではなくて、伯母の10歳年下のボーイフレンドだったのでした。
小学校ではずっと落ちこぼれていただけあって、ものすごくバカそうな顔をしています。
この写真を撮ってもらったとき、お礼を言ったかどうかもあやしいです。
この場所は実家なのですが、建築家だった祖父が建てた2階建ての家に、やはり建築家だった伯母が3階部分を設計して後から乗せるという、今思えば大胆な増築をして住んでいました。
子供の頃はときどき伯母のステレオでザ・バンドのLPを聴かせてもらうのが好きでした。
この懐かしい家も十年前に無くなってしまいましたが、夢に出てくるのはその後住んだ家ではなく、ここのことが多いです。
記憶はやがて消えていってしまうでしょうから、写真だけが失われた場所の思い出を辛うじて留める記録です。