パリの夏、日本の夏

猛暑の続く東京でこれを書いています。
先月帰国したとき、パリは最高気温22℃、最低だと8℃。
過しやすいと言うか、油断すると肌寒いくらいの陽気でした。
日本の夏は3年ぶりです。今年は特に暑いとうわさに聞いて覚悟してはいたものの、
成田空港から一歩外に出た途端、思わずたじろぎました。

去年、日本は冷夏だったそうですが、ヨーロッパは対照的に記録的な暑さでした。
ニュースでご記憶の方もいらっしゃると思いますが、パリだけで3千人以上、
フランス全体ではお年寄りを中心に1万人以上もの死者が出てしまいました。
扇風機は完売品切れとなり、エアコンは家庭には普及していないので 映画館やデパートに避難する人も。
幸いにしてうちは日当たりが悪いので、
エアコンはもちろんのこと扇風機も無しで乗り切ることができましたが、
一度わびすけは外出中に脱水でフラフラし、それ以来ちょっと買い物に行くにも ペットボトルを欠かさなくなりました。

ただ、気温40℃を超えた去年のパリは確かに暑かったのですが、
湿度が低いので日本人の僕達にとっては充分耐えられる範囲でした。
もっと気温が高かったスペインのマドリード(なんと50℃を記録したとか)では パリ程人が亡くなっていないので、
やはりパリジャンは暑さに慣れていなかったのでしょうか。
夏が過ぎ、街でゆっくりと歩くお年寄りを見かけると
「この夏を乗り切ったのですね、サバイバル成功おめでとうございます!」と 祝福したいような気がしたものです。

実は多数の死者を出した去年のパリの猛暑より 今年の東京の暑さの方が遥かに厳しいように感じます。
エアコンも扇風機も無し、というわけにはいきませんよね。
そういえばフランス人は日本人に比べて体温が平熱で1℃くらい高いという話を
聞いたことがあります。
そのためフランスで日本人が熱を出した場合、
1℃ほど高めに言わないと心配してもらえないのだとか。
もしかしたらそのせいもあってフランス人は暑さに弱いのでしょうか??
ただの推測に過ぎませんが…。

それはさておき、なぜこんな真夏の時期に戻ったかといえば、
もちろん仕事の都合や家族、友人達に会うため等々ありますが、
ついでにアジアカップとオリンピックをTV観戦したかったというのも大きいです。
(既にその甲斐はありました!)
やはり日本人が活躍するのを見たいし応援したいのですが、
海外に暮らしているとなかなかその機会がありません。
(それにしても日本のテレビ番組はバリエーション豊富で面白いですね)

というわけで蝉の声を聞きながらスイカを食べて、
燃える日本の夏を満喫したいと思います!
さすがに車いすで出かけるにはもう少し涼しくなって欲しいですが……
皆さまも熱中症にはどうぞご注意下さい!

2004/08/10